●下野国(しもつけのくに)は、かつて日本の地方行政区分だった国の一つで、東山道に属した。延喜式での格は上国、遠国。記紀には准大国とある。下野州(しもつけしゅう)や単に野州(やしゅう)と通称されることもある。現在の関東地方北部(北関東)に位置する。領域は現在の栃木県とほぼ同じだが、加えて群馬県桐生市のうち桐生川以東を含む。かつて栃木県は下野国と完全に同一の範囲だったが、昭和34年(1959年)と昭和43年(1968年)に栃木県の一部が桐生市に越境合併されたため、僅かに相違が生じている。
●古代の毛野国(けのくに)のうちの、下毛野国造(国造は下毛野君、現在の栃木県中南部地域)の領域が、令制国の下毛野国(しもつけのくに)として成立した。日本書紀によれば崇神天皇の皇子であった豊城入彦命が下毛野君の始祖とされている。7世紀、北東部の那須国造の領域を合わせ、現在までの領域が確定した。
和銅6年(713年)に施行された諸国郡郷名著好字令によって、全国の国名が漢字2文字に統一された。その際、下毛野国(下つ毛の国)から下野国となった。「下毛」ではなく「下野」となったが、読みは「しものくに」とはならず「しもつけのくに」のままである。
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