下野・会津・津軽地方に連綿と伝わる匠の技術がつくる 手仕事・伝統的工芸品、民芸品 専科
仕事専科は、㈱とぴい企画のブランドです。「和美との生活」を提唱しております。
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雄勝硯 (採石制作)
エンドーすずり館

遠藤弘行
  • 雄勝硯は1985年(昭和60年)通商産業大臣(当時)より伝統的工芸品に指定されました。
  • ある有名な書家の方が、白石(波板石)の硯は、世界最高峰の中国硯の湛慶硯に勝ると評価されています。その意味で弘行氏は、世界最高峰の石「波板石」や「ネズミ石」から雄勝硯を作られています。

〒986-1333宮城県石巻市雄勝町字船戸神明68
 ・・・・手仕事専科では、”和美との生活”を提唱しています。・・・・
雄勝石(おがついし)は、宮城県石巻市雄勝町の黒色で光沢がある硬質粘板岩。
粒子が均質で圧縮や曲げに高い強度を持ち経年変化等への耐性が高い。北上山系登米層の古生代上部二畳紀の地層に産します。

雄勝硯の歴史は大変古く、室町時代初期に遡ると言われています。江戸時代の初めには、牡鹿半島の遠島(とおしま)と呼ばれた十五浜へシカ狩りに来た伊達政宗に、硯を二面を献上して、いたく称賛され、褒美を授かったことが伝えられています。
また伊達家の二代目忠宗もその巧みな技に感服して、硯師を伊達藩に召し抱え、硯の原料が採れる山を「お止め山(お留山)」として、一般の者が石を採ることを許さなかったと言われています。
このように雄勝硯は応永の昔より名硯として賞美され、以来600年の歴史と伝統を誇り、営々として命脈を保ち続け、依然昔ながらの手作りの製法により、硯工人の腕ひとつ、呼吸ひとつで、丹念に彫り上げられています。

硯にとって最も大切な部分は、墨をする際に歯の役割を果たす鋒鋩(ほうぼう)です。雄勝硯の特徴は、この鋒鋩の荒さ、細さ、堅さ、柔らかさが丁度良いバランスになっていることです。色は黒または暗い藍色と白、ネズミの3種類があります。夫々に黒石、白石、ネズミ石と呼ばれ、白石を波板地区で取れることから、波板石と言います。何れも豊かな艶があり、石肌は滑らかです。
こちらのエンドーすずり館では、硯に適したより硬質の白石(波板石)を使います。
つい先頃、雄勝硯(おがつすずり)の採石制作の遠藤弘行.さんをたずねました。
2011.03.11の東日本大震災で、雄勝硯の雄勝町は、壊滅状態となりました。


もう10年が過ぎましたが、その後の復旧工事で防潮堤ができ、道路も整備され近代的な姿に変わっています。
遠藤さんも被災され、工房兼お店「エンドーすずり館」が津波に飲み込まれ、流されました。御自宅は、船戸にありましたが、高さ20mにもなる津波で全てが壊滅しました。お父様遠藤盛行氏の残した100点にもなる硯の殆どが流され、現在残っているのは30点ばかりと言います。多くが、雄勝湾に運ばれてしまい、回収は見込めないようです。
雄勝町は、嘗て一五と呼ばれ、15の浜が雄勝湾を囲み「月の浦(つきのうら)」とも呼ばれていました。
湾奥には、慶長年間に支倉常長ら一行がローマに行くために乗船した使節船である「サンファンバウティスタ号」の建造地(十五浜村の呉壷)があることで有名です。

遠藤弘行さんは、採石制作の4代目になるが、硯工人としては2代目であり、父遠藤遠藤盛行氏の情熱を傾けた硯制作への思いを引き継いでいるといいます。
 

遠藤弘行さんは、父の成した硯制作に魅せられ24歳の時にこの道に入りました。それから、9年間修業をし33歳で独立しました。それが、エンドーすずり館です。元々広告会社のデザインを手掛けられており、硯への魅力ではなく、レリーフ(毛彫り)か浮き彫りが出来ることから、家業を継ごうと思ったと言います。現在で68歳になりますので、硯制作から44年が経ちます。現在雄勝硯の伝統工芸士は、開和堂硯舗の山崎勝氏一人です。雄勝硯生産販売協同組合には、樋口昭一氏(故人)が居られましたが、工藝士の認定は、受けておりません。
国の認定には、協同組合の申請が必要ですが、弘行さんは組合に属しておりません。元々雄勝硯は、問屋卸の商品でした。昭和40年からの数十年が、学童硯の需要人気で、全国の9割近くを生産していましたが、職人も工藝士として尊敬を受けて居たわけではないようです。問屋の要請で、硯本来の品質よりも、大量生産が求められていたようです。その為に石の品質を吟味しないままに安価に製作したり、そのうちに海外の安価な硯を輸入して、雄勝硯として販売をした時期もあるようでした。
雄勝で遠藤盛行さんのように雄勝石の魅力に気付き、硯をつくり直接販売する職人さんは、ひとりもおられませんでした。そうした風潮に憤りを感じた先代遠藤盛行さんは、上質な石で個性的な硯をつくり、直売によって購入者と対話しながら技を磨く道を求めたのでした。盛行さんは、初めは、硯を玄関先に並べて、販売していました。そして、晩年になり、写真のような書籍を書かれました。
ご長男の遠藤光行さんは、高校教諭でしたが、「つきのうら」の真実という本を書かれました。嘗ての
「サンファンバウティスタ号」建造の遠藤家の末裔です。その血が、お父様に、お兄様にそして、弘行さんに受け繋がれています。
 
遠藤盛行さんの著書によれば、職人の加工しやすい黒の玄昌石が流通し、硬質の白石(波板石)、ネズミ石は、捨てられていました。柔らかい黒石が力もいらずに簡単に彫れるのですが、鋒鋩の関係からは、硬質の白石(波板石)やネズミ石が、良質の硯と言えます。盛行さんはそれらの上質な石を使い硯を製作しました。そのような玄昌石の研究と作品を書籍にしたものが、2冊の著書です。
さらに、3種類の玄昌石の分布図も「雄勝の玄昌石」にまとめました。
ある有名な書家の方が、白石(波板石)の硯は、世界最高峰の中国硯の端渓硯に勝ると評価しています。その意味では、雄勝では、宝の石である「波板石」や「ネズミ石」が捨てられていたことになります。弘行氏は、波板石の硯を主に作っています。ネズミ石はなかなか採石が難しいと言いますので、採れた時にご要望に応じて作るそうです。
弘行さんに石の違いを教えてもらいましたが、叩くと音が違います。黒石から、白石(波板石)になると硬質の金属音に近づきます。採石の際に叩きながら石の質を確かめていると言います。
この度、仕事専科のWebciteで掲載することになりました。
雄勝硯エンドーすずり館です。
震災から、すでに10年が経過しましたが、いたるところに爪痕が残り、雄勝硯の往年の復活は、いつになるでしょうか。まして、学童の書道は必修科目ではなく、硯需要は少ないところですが、墨汁が当たり前になり、硯で墨を磨り書を描く方は、上級者や書家の方に限られています。
それでも良い硯を求められて、雄勝硯、波板石の硯にたどり着くことを、また、
仕事専科Webciteの紹介と販売が、雄勝硯の普及にお役に立てることを願っております。
すぐれた伝統技術を継承していただき、沢山の方々に雄勝硯をご利用いただければ、幸いです。
(2021.11.20) 

           

種類   全て、一点ものです。 
実用硯

規格サイズに切断した硯材の四隅を人工的に取り除き、石の形を自然風に加工。
似た様な形ができますが、同じサイズではありません。
価格は、玄昌石の厚さと大きさに依ります。

原石硯
(自然石)

自然石(原石)のフリーの実用硯です。
雄勝では、オノレ石と呼んでいます。
1個の石から、表と裏を削り、形に応じて、硯を掘ります。
彫刻や毛彫りで装飾をすることが可能です。

彫刻入り硯   彫刻入りは、幾つかの種類があります。
・瓢箪 ・鯉 ・龍 ・小鳥 ・桜

ご希望で掘ることが可能です。
共蓋硯  天然石の共蓋硯です。
一枚の原石を割って作りますが、彫刻を入れることが出来ます。
墨が乾かずに重宝です。
 
足形硯  お子様の記念の硯です。
3カ月位までのお子様の足形から作ります。
縦、9cm、巾5cm位です。
装飾によって、幾つかのタイプがあります。
筆置き・他  ペーパーウェイト、筆置き等ですが、レリーフ(毛彫り)の装飾です。 
装飾には、椿、さくら、梅、小鳥、ご希望で彫ることが可能です。
※価格は、「本体価格」表記です。別途消費税が加算されます。
サイズは、㎝を使用しています。外径「縦×幅☓高」、内径(縦×巾☓海深)
ご注文に当たっては、恐縮ですが、納品までにお時間を頂戴しております。
遠藤弘行氏の商品は、全て波板石や黒石の一点ものです。
従いまして、売切れの場合には、同様タイプの制作となり、同じものではありませんのでご了解ください。
遠藤氏は、材料の雄勝石を大量に保存しておりますので、どの様なタイプの硯も対応できると存じます。
特に高額ではありませんが、中国の世界最高峰の硯、端渓以上の硯です。
実用硯戻る     
・実用硯(波板石)
 ¥5,000
 10.7☓8☓2
 (9*6.5*1) 382g
 ■商品コードOT-13001■
・実用硯(波板石)
 ¥6,000
 13.7☓9.2☓2.6 
 (12.3*8*1.2) 801g
 ■商品コードOT-13002■
・楕円硯(波板石)
 ¥10,000
 13.5☓9☓2 
 (11.5*7.8*1.3) 629g
 ■商品コードOT-13003■
 
     
 
・瓢箪硯(波板石)
 ¥12,000
 15☓10.5☓2.5 
 (12*9*1) 765g
 ■商品コードOT-13004■
・実用硯(波板石)
 ¥15,000
 15.7☓10☓2.5 
 (13.5*8.5*1.2) 922g
 ■商品コードOT-13005■
 
・実用硯(波板石)
 ¥18,000
 15.0☓9.5☓2.5 
 (13.5*8.5*1.2) 934g
 ■商品コードOT-13006■
 
原石硯戻る      
     
・原石硯(波板石)
 ¥8,000
 9☓9.5☓2 
 (6*5..2*0.8) 328g
 ■商品コードOT-13101■
 
   
彫刻入り硯戻る    
     
・実用硯 椿(波板石)
 ¥8,000
 9☓6.5☓1.4 
 (6*5.2*0.8) 328g
 ■商品コードOT-13201■
・実用硯 椿(波板石)
 ¥12,000
 14.7☓7.2☓2.3 
 (10.5*6.5*0.8) 650g
 ■商品コードOT-13202■
 
・瓢箪硯 (波板石)
 ¥10,000
 13.5☓9.5☓1.7 
 (10.8*8.1*0.8) 520g
 ■商品コードOT-13203■
 
     
・彫刻いり硯 (黒石) 非売品
 
サンファンバウティスタ号
 ¥148,000
 30☓30☓6
 ■商品コードOT-13204■

 ※同タイプで承ります。 
   
共蓋硯 戻る
・天然石共蓋付硯
 (彫刻無し)

 ¥10,000
 12.5×8☓4(蓋1.2) 
 ■商品コードOT-13301■
・天然石共蓋付硯
 松と鯉

 ¥20,000
  15☓9.3☓3.7(蓋0.9)
 ■商品コードOT-13302■
・天然石共蓋付硯
 龍

 ¥38,000
  18☓10☓3(蓋0.9)
 ■商品コードOT-13303■
 
     
・天然石共蓋付硯 販売済
 椿

 ¥48,000
 18☓13☓3.5(蓋0.9)
 ■商品コードOT-13304■
 
・天然石共蓋付硯
 桜

 ¥20,000
 13.5☓9☓2 
 (11.5*7.8*1.3) 
  ■商品コードOT-13305■ 
 
足形硯 戻る
・片足入り蓋付硯
 桐箱、浮彫型
 
¥14,000
 9☓6☓5 
 生後3カ月位。
 ■商品コード OT-13401■
・両足入り蓋付硯
 霧箱、浮彫型
 ¥19,000
 ■商品コード OT-13402■
・両足入りレリーフ
 霧箱、レリーフ

 ¥25,000
 ■商品コード OT-13403■
 
     


 
・片足入り硯
 霧箱、浮彫、硯
 ¥22,000
 ■商品コード OT-13404■
 
 
 ペーパーウェイト 戻る    
 ・毛彫り模様 椿
 ¥1,800
 10*7*3.2  547g
 ■商品コード OT-13501■
 
・毛彫り模様 梅に鶯
 ¥1,800
 10*7*3.2  547g
 ■商品コード OT-13502■
 
・毛彫り模様 鯉
 ¥1,800
 10*7*3.2  547g
 ■商品コード OT-13503■
 
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・毛彫り模様 梅
 ¥1,200
 10.5*2.7*2.5 188g
 ■商品コード OT-13601■
 
・毛彫り模様 桜
 ¥1,200
 9.2*2.7*2.4 163g
 ■商品コード OT-13602■
 
・箸置き
 ¥800
 6.5*2.2*1.5 49g
 ■商品コード OT-13701■
 
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