□■削り節のこと■□

削り節(けずりぶし)とは、鰹節やカツオ、サバ、イワシ等の干し魚を薄く削ったものである。 日本食の調味料の基礎と位置づけられており、出汁の素材として昆布などと共に欠かせないものである。料理の仕上げ(見た目、香りやコクの付加)として最後に振りかけられる場合もある。
●かつては鰹節と呼び広く流通していたが、かつお以外を原料とするものまで混じっていたことから、商品としての誤解を避けるため、「削り節」と呼ぶこととなった。

鰹節や削り節はうま味成分のイノシン酸を多量に含有し、和風の調味料として好んで用いられる。ビタミンB群など栄養分を豊富に含む。

また削り節の風味は揮発性であり空気中で急速に失われるので削りたてのものほど風味が高い。風味を大切にするなら毎回使用する分だけ削るのが理想的だが、現在では削り器を持っているような家庭は少なく、工場で削って窒素封入によって酸化や香りの飛散を防いだ包装の鰹節削り節(かつおぶしけずりぶし)や花鰹(はなかつお)、鰹削り節(かつおけずりぶし)などとして購入する家庭が多い。

●鰹節削り節(かつおぶしけずりぶし)は、カビ付けを繰り返した鰹節(枯節・本枯節)を削ったもの。 高級料亭などでは本枯節を使われる事が多い。この「本枯節」は「かつお・かれぶし」で、「かつおぶし削りぶし」の原料。この本枯節を使用したもので、価格は高いが非常にコクがある。
●鰹削り節(かつおけずりぶし)は、カビ付けしてない「荒節」を削ったもの。コクが少ないが安価である。 この鰹削り節を出汁に良く使う地域がある。特に大阪など西日本を中心とした所で使用される。「荒節」は一括表示で「かつお・ふし(原産国)」と称され「かつお削りぶし」の原料となる。「花かつお」とも呼ばれる。
●静岡県の一部では、イワシ削り節がよく用いられる。鰹削り節よりはコクがあり、安価なため大量に使用しやすい。