【着物文化を継承するために】 ・「和美との生活」の提唱。 ・「REOHAS(りおはす)の活動」 |
「着物の現状」を滝田様と話しあって、ますます着物文化を守る必要性を感じました。 これらの平安時代からつづく「着物文化」は、わたしたち日本人の民族衣装であり、美をめでる生き方であり、日本人の感性です。 明治維新以降の西欧文明の圧倒的経済的富・武力の前にわたしたち日本人は、劣等感をそして立国の危機を感じました。そして、その彼らの富と文明と戦争能力を取り入れ得ないことには、アジアやアフリカ、中南米の国々のように「植民地」にされることを恐れました。まさに時代は、日本国の存亡の危機であり、NHK番組「坂の上の雲」になります。勝れた賢明な明治、大正時代の人々の優れた能力と長い日本人の歴史と生き方によります。 しかし、それは、第二次世界大戦で大敗北を喫した日に続きました。 敗戦は、大変なことでした。しかし、恥ずかしく残念なことに、物量の豊富な列強(英米仏)に心を奪われました。高々建国200年の歴史のアメリカの統治政策のままに国家が、国民が、日本人の心を失なってしまいました。 かつての美しさをめで、ひととの和をもって貴しとする生き方を変えてしまったのです。戦うことを捨て、どん底からの復興と経済の発展だけに価値を見出して、まいりました。 高度の文化と文明に錯覚を起こしていたのです。 しかし、戦後70年を経て。足元をみるとどうでしょうか。 生きることは、大切なことです。隣国の中国や韓国を見ていて、ひ弱なわたしたちを自覚します。日本文化と国としての成り立ちを意識しないわたしたちです。 今、わたしたちは、日本人としての意識と文化と歴史を鑑みる時です。 (和美との生活) 今、手仕事産業(伝統的工芸品・民芸品)が、絶滅の危機に瀕しております。グローバルな市場経済主義から、現代生活に適しない産業は、淘汰される運命にあります。生物学的には、”絶滅危惧種”という言葉がありますが、まさに、伝統工芸品は、そのような状況にあります。私の関わった津軽塗、会津塗を筆頭に生産量も従事する方々も、嘗ての何分の一という状況にあります。江戸時代や古くは大和時代に始まる伝統的産業の技術が、消えかかっております。なくなれば、復活することは、二度とないように思います。 スローライフや自然の素材から生まれた製品が、大切という事はわかっても、経済的にそれらを生活の中で使用することが難しい状態にあります。 そこで、伝統的産業「手仕事」を守り、人間らしい生活に復帰することを目的に『”和美(わび)”との生活』を提案いたします。和=日本の伝統的な製品と生き方である”和”、美=古の生活の中で育まれてきた美術工芸品と生き方の知恵としての”美”を生活の中に活用することを提唱いたします。 日本人の色や造形に対する美的感覚は、世界に誇るものであり、作り手も使用者も長い年月を経て育み伝承されてきたものです。100円均一商品に代表されるような安価でそれだけにしか価値を持ち合わせないものが、巷に氾濫しております。それらの世界で育まれたものは、従来以上のものを生み出すことはありません。職人の反復作業によって生まれ長年培われてきた完成度の高い美しさには、価値があります。 他にも日本の伝統産業、伝統文化である、旅館、割烹、着物、易、華道、茶道なども有用性と同時に温さと美しさとを同様に持ち合わせています。 |