野生繊維の王様 [羅布麻]
●まえがき
羅布麻といっても、いったいなんのことかと首をか傾けられる方は、きっと多いことでしょう。
これは、中国中部から西北部にかけて群生する野生の植物で、そのは、一部の地域では数百年にわたって、お茶の原料とされてきました。
中国の人々に、日常手軽に飲めるお茶の一つとして親しまれてきたのです。
特に羅布麻が豊富な、西北地区(新疆、甘粛、青梅)では、われわれが日本茶を飲むようにして、現在でも飲んでいます。
羅布麻の用途は、飲用ばかりではありません。
その茎からとれる天然繊維を利用して、シャツや靴下、ハンカチなどの衣料品も作られています。
肌着として身につけると、飲んだ時と同様の効用があるということで、評判になっています。
●羅布麻のお茶を薬として利用。
・高血圧症に効果がある。
・せき、たん、喘息などに効く
・鎮静、精神安定作用がある。
・免疫機能を高めて病気を防ぐ。
・老化を防いで寿命をのばす
●羅布麻の繊維の効能
・短繊維の羅布麻は、麻むき、にかわはがし、糸紡ぎという点で技術的な問題がありました。
しかし、長年の羅布麻繊維紡糸の研究結果から、「羅布麻・綿混紡糸の開発」に成功しました。
・「羅布麻・綿混紡糸」を原料として、Tシャツ、ワイシャツ、メリヤスシャツ、羊毛セーター、ジーパン、ハンカチ、タオル、靴下などの
製品が作られるようになりました。
・着心地がよく、優れた吸湿性、通気性を持ちます。
「野生繊維の王様」といわれる所以です。
資料:羅布麻の驚く効きめ(ハート出版)
薬学博士 富山医科薬科大学和漢薬研究室長
難波恒雄著