[味噌の効能]
・豆腐や油揚げを入れたお味噌汁、嫌いな人はいないですよね。私たち日本人にとって味噌汁とは国民的料理と言っても過言でないほど身近な料理です。毎日味噌汁を飲んでいるという人も少なくないでしょう。
毎日何気なく飲んでいる味噌汁は主に味噌からできています。この味噌は美容や病気の予防に効果絶大のスーパーフードということをご存知ですか?
・味噌は体にいいとなんとなく知ってはいても、どんな風にいいのかよくわからないという人は味噌の威力を知るよい機会です。今回は、美肌作り・健康促進・病気予防等あらゆることに効果を発揮してくれる味噌の魅力について徹底的に迫りたいと思います!
1.味噌はなぜ体にいい?味噌に含まれる様々な成分
・味噌といえば、味噌汁はもちろん、肉や魚の味噌漬けや味噌を使った炒め物など様々な料理法があり、日本人の私たちにとてはとても身近な食品です。それに味噌が苦手な人、嫌いな人というのはあまり聞いたことがありません。
・味噌は体にいいと昔から言われていますが、一体どのように体に良い影響を及ぼすのでしょうか。今まで具体的に知らなかった人も味噌の成分について知ることで、今まで以上に積極的に味噌を摂取したくなるはずです。
・味噌は大豆を発酵させて作られています。大豆といえば、体に良い食品の代表ですが、さらに発酵という過程で味噌の中には、発酵前には存在しなかった様々な成分が作られます。
発酵とは簡単にいえば、様々な微生物の働きによって、食品の中に栄養豊富な成分が作られる工程と考えていいと思います。
・味噌に含まれる主な成分といえば、イソフラボンです。イソフラボンはとくに女性にとって美容に効果のある成分として随分前から注目されています。
味噌に含まれるその他の良質な成分にはタンパク質、イソフラボン、ビタミンE、トリプシンインヒビター、コリン、リノール酸、メラノイジン、ビタミンBなどがあります。中にはあまり聞いたことがない成分もありますので、どのように体に有効なのか後ほど解説していきます。
2.味噌は女性の味方!美肌、アンチエイジング、ダイエットにも効果的!
・現代の女性は美しくなることに貪欲です。エステや運動、サプリなど様々な方法でより美しくなる努力をしています。しかし、味噌ならば毎日の食事に取り入れるだけで簡単に美容成分を摂取することができるので、見逃す手はありません。味噌にはどのような美容効果があるのでしょうか。
3.美白効果絶大!アルブチンに匹敵する効果のリノール酸
・美白化粧品の人気成分といえばアルブチンですが、味噌にはアルブチンと同等の美容効果があると言われているリノール酸が含まれています。
・リノール酸にはシミやそばかすの原因となるメラニンの生成を抑制する働きがあるのです。リノール酸はオリーブオイルやグレープシードオイルなど良質なオイルに含まれることで知られています。リノール酸には肌の保湿力を高めたり、抗炎症作用があると言われています。しかし、一方でアレルギーの悪化を引き起こすとも言われていますので、過剰な摂取はお勧めできません。
・最近ではリノール酸の改良がすすめられ、肌のバリア機能を高めるだけではなく、メラニンのもととなる酵素チロシナーゼを破壊することでメラニンの抑制を防ぐことが可能になりました。
ただし、味噌に含まれるリノール酸が美肌に効果があるということはわかっていても、実際には味噌を食べると肌が白くなるということはまだ証明されていません。しかし、味噌の成分を使った化粧品が発売されるのもそう遠くはないのではないでしょうか。
4.いつまでも若々しくいたい人にはアンチエイジング効果のあるビタミンE
・ビタミンは全般的に美容にいいと言われていますが、ビタミンEはとくにアンチエイジングビタミンと言われています。
・細胞のまわりの不飽和脂肪酸が活性酸素が結びつくことにより細胞が酸化し、体の老化につながります。ビタミンEはこの細胞の参加を予防してくれる働きがあるのです。
・同時にビタミンEは血管の健康を保ち、血液をスムーズに循環させる働きがあります。血管の流れがスムーズになることで冷え性や肩こりなどが改善されるだけではなく、動脈硬化などの重篤な病気も予防してくれます。
5.女性ホルモンの活性を高めてくれるイソフラボン
味噌に含まれるイソフラボンには女性ホルモンエストロゲンに似た働きをすると言われています。女性ホルモンが活性化することにより、美肌や美髪、バストアップなど女性らしい体つきになるための効果が沢山あります。
イソフラボン、リノール酸、ビタミンEの三つを同時に摂取することで美容効果、アンチエイジング効果がより一層高まることは間違いありません。
そして嬉しいことに味噌にはダイエット効果まであるのです。
6.味噌でお手軽ダイエット!コリンやサポニンが効果的
さらに味噌には美肌効果だけではなく、ダイエット効果があります。
・味噌に含まれるコリンという成分は肝臓の機能を高めてくれる働きがあります。つまり、肝臓に脂肪が蓄えられるのを防いでくれるというわけです。とくに中高年の方で脂肪が気になる人にはこのコリンがとても効果的です。
・二日酔いの朝に熱い味噌汁を飲むのは、肝臓に残ったアルコールを早くに排出するためでもあるのです。また大豆に含まれるサポニンは腸の中で活躍します。このサポニンは腸の働きを整え、脂肪の吸収を抑え、脂肪を効率よく燃焼してくれます。
・最近は味噌汁ダイエットというのも流行っていて、一日3食味噌汁を取り入れることにより、主食を減らし減量につながるというものです。食事の最初に味噌汁を飲んで、ある程度お腹を一杯にしてから主食やおかずを食べることで食べ過ぎを防ぐことができます。
また味噌汁の具に野菜を多く入れることでビタミンの摂取や食物繊維の摂取が可能になります。
・女性は美しくいるためにいろいろな努力をしているけど、味噌ならとっても自然に美肌やアンチエイジングが叶います。無理なダイエットなんてしなくても、毎食味噌汁を飲むことで満腹感を感じて食べ過ぎを防ぐことができます。味噌は美容に敏感な女性の味方ですね。
7.味噌はガンを予防してくれる!味噌で発がん性物質を除去
・味噌に美容効果があると聞いて興味を持った方が多いと思いますが、実は味噌にはもっとすごい働きがあります。味噌汁を飲むことでガンを予防できるという研究結果があちこちで発表されているのです。
ガンといえば、日本人の死亡原因のトップに挙げられる病気ですが、味噌汁を飲んでガンを予防できるとは驚きです。
8.1日3杯以上味噌汁を飲めば乳がんの発生を抑えられる!
・まずは中年女性の死亡原因のトップである乳がんに関して、味噌汁との驚くべき関係が国立がん研究センターがん予防・検診研究センターの研究から証明されています。
つまり1日3杯以上の味噌汁を飲む人は、味噌汁をほとんど飲まない人に比べてガンになりにくいということになります。
・味噌汁は大豆で作られていますので、全ての大豆製品に乳がんの発生率を低下させる働きがあるのかと言われると、「大豆、豆腐、油揚、納豆」では、はっきりとした関連が見られず、「みそ汁」ではたくさん飲めば飲むほど乳がんになりにくい傾向が見られたと国立がんセンターが発表しています。
・乳がんの発生に関しては、味噌汁以外の大豆製品でははっきりと効果はわかりませんでしたが、味噌汁では発生率の低下が確認できたということになります。もちろんその他の大豆製品も体にいいことには間違いありませんが、乳がんに関しては味噌汁以外では効果がないということになります。
・なぜ味噌汁以外では効果がないのかという疑問が残りますが、おそらく味噌汁に含まれる具材の影響も少なからずあるのではないでしょうか。味噌汁の具材には多くの緑黄色野菜が選ばれることが多く、それが体にいい影響を及ぼすと考えらます。
8.味噌がガンに効くのはイソフラボンの働きによるという説が濃厚
・先程、イソフラボンは女性ホルモンエストロゲンに似た作用があるという話をしましたが、この作用が乳がんにも効果があると考えられます。
・乳がんの発生は長期間女性ホルモンにさらされることが主な原因と考えられていますが、イソフラボンは女性ホルモンの分泌を抑えることも、促すこともできるということになります。ですので、イソフラボンの摂取がすぐにガンの発生につながるというのは極端な考え方と言えるでしょう。
・国立がんセンターの研究でも閉経後など女性ホルモンの分泌が著しく減少する時期にイソフラボンを摂取することで女性ホルモンを補い、乳がんになりにくくなる傾向があると述べています。
・イソフラボンは摂取した人の状況に応じて女性ホルモンを抑制したり、補ったりとホルモン状態を整えてくれる働きがあるのです。
9.味噌には発がん性物質を抑制する働きがある
ここまで乳がんの話をしてきましたが、実は味噌には乳がん以外のガンの予防にも効果が認められているのです。味噌汁に煙草による影響をなかったことにしてくれるほどの強い作用があるとすれば、侮れないですね。
10.聞きなれないトリプシンインヒビターはすい臓がんに効果的!
・トリプシンインヒビターとはあまり聞きなれない言葉ですね。トリプシンとはすい臓から分泌されているタンパク質分解酵素の一つですが、トリプシンインヒビターにはこの酵素を不活化させてしまう作用があります。
・そのためすい臓が肥大してしまうので、大豆製品を摂取するときはなるべく熱を加えてこのトリプシンインヒビターを壊す必要があります。
しかし、最近になってこのトリプシンインヒビターが糖尿病やすい臓ガンの予防になることがわかってきました。
・糖分は摂り過ぎるとすい臓から多量のインスリンが分泌され、すい臓に負担がかかります。糖分の過剰摂取を続けるとすい臓に負担がかかり、糖尿病を発症してしまうのです。それが適度なトリプシンインヒビターの摂取により、すい臓が肥大しインスリンの分泌量が増え、糖尿病を予防してくれます。
・トリプシンインヒビターのほかにも味噌の色である褐色色素のメラノイジンと呼ばれる成分も糖尿病の予防に一役買っています。メラノイジンは食品を加熱した際にできる物質で、抗酸化作用のほかに血管を健康に保ったり、整腸作用があると言われています。
・トリプシンインヒビターは糖尿病を防ぐだけでなく、すい臓の働きが活性化することですい臓ガンの予防も期待できるのです。
・すい臓ガンは初期症状がほとんどなく、早期発見が難しいガンと言われていますので、予防対策を行うことはとても大切です。
11.味噌には放射線防御作用がある!
・もう一つ広島大学渡辺敦光教授の味噌に関する興味深い発表がありますのでご紹介します。福島の原発事故は記憶に新しいですが、原発事故は起きなくとも、私たちは常に放射線にさらされていることをご存知ですか。
・大量の放射線にさらされると遺伝子に傷がつき、ガンを発症する危険性が高くなります。渡辺教授の報告によると味噌を摂取することで放射線を体外に排出することができるのです。
・このことから病気が発症してからではなく、日常的に味噌を摂取することが好ましいということがわかりますね。
・ガンは日本人の死亡率の原因のトップです。味噌には乳がんを予防するイソフラボンやすい臓がんを防ぐトリプシンインヒビターが含まれているんです。放射線には発がん性があるというけど、それも破壊してくれるとは味噌はなんとも頼もしい食品ですね。
12・味噌はコレステロールや血圧を下げる!味噌で生活習慣病予防を
・先程は味噌が糖尿病を予防するということをお話ししましたが、味噌はそのほかの生活習慣病に対しても効果があるのです。生活習慣病の多くが高血圧やコレステロールの上昇によって引き起こされますが、この二つの原因を抑制する働きが味噌にはあるのです。
・辻教授の研究でも、味噌に含まれるレチノール酸や大豆レシチンには血圧の上昇やコレステロールの上昇を抑制する働きがあることを述べています。
・このように様々な研究や実験で味噌に含まれる成分が血圧やコレステロールの上昇を抑える効果があることが確認されています。生活習慣病は誰でもなりうる病気であり、発病すると普通の生活を送ることが困難になることもあります。
・味噌を摂取するだけで予防できるものであれば、すぐにでも始めないともったいないですね。血圧とコレステロールといえば生活習慣病の主な原因となります。それが味噌に含まれるレチノール酸や大豆レシチンによって上昇を抑えることができるなんてすごいですね。生活習慣病はすぐに命を落とすわけではないけれど、悪化すれば普通の生活を送ることが困難になってしまいますよ。
13.味噌には減塩効果あり!毎日味噌を摂っても大丈夫
・なんとなく体にいいと思っていた人も実は味噌にこんなに健康に良い効果があると知って驚いた方も少なくないと思います。今まであまり味噌汁を飲んでいなかった人も、これからは積極的に味噌汁を飲もうと心に決めたことでしょう。
そこで気になるのが、味噌汁に含まれる塩分です。
・味噌汁は塩分が多く、塩分の摂り過ぎは体に良くないと思われがちですが、専門家によると1日3杯の味噌汁では塩分の摂り過ぎにはならないようです。
・味噌汁の塩分はそこまで気にすることはないようです。むしろ、日ごろ口にするスナック菓子などの方がよっぽど塩分が多いように思います。
・結論としましては、味噌汁は味噌だけでなく、出汁として使われる魚などの成分や具材として入れる緑黄色野菜などの効果も大きいということです。
味噌汁は作り方も簡単ですし、わざわざ買わなければならないものもありません。普段家にあるものを使って短時間で作れますので、これほど簡単で効果の高いレシピは他にはありません。
味噌汁は総合的にとても優れた料理ですので今まで洋食のレシピに偏りがちだった人もこれからは味噌汁を中心に和食に切り替えるといいですね。
・味噌汁を飲むと塩分の摂り過ぎになるのではないかと思っていたけどそんなことはないと知って安心しました。
改めて、やっぱり日本人には和食中心の食生活を送るべきだと思いましたよ。
14.驚くべき味噌のパワー!不快な症状から重篤な病気にまで効果を発揮!
・味噌は私たちにとってあまりにも身近な食品すぎて、その効果について深く考えたことがなかったという人が大半だと思います。
知るほどに奥が深く、健康に有効な成分がこれでもかというぐらい詰め込まれていることに驚かされます。一時期の発酵食品ブームで発酵食品の効果についてなんとなくご存知の方も多いと思いますが、ブームが去った後でも引き続き摂取してほしいのが味噌です。
・味噌には美肌やアンチエイジングを叶えてくれるイソフラボンやビタミンE、リノール酸が豊富に含まれています。またがんを予防してくれるトリプシンインヒビターやメラノイジン、生活習慣病を予防してくれるレチノール酸や大豆レシチンなども味噌の成分です。
・気になる味噌の塩分に関しても1日3杯程度の摂取では問題がないことが専門家の研究により証明されています。
・味噌汁がほかの大豆製品より優れているのは、味噌汁は魚で出汁をとったり、緑黄色野菜を具材として使うなど、栄養バランスがとれているからです。
せっかく日本人として生まれ、味噌というスーパーフードが身近にあるのですから、様々な病気の予防に最適な味噌汁を飲まないのはもったいないです。