編み組の紹介 (奥会津三島編組品振興協議会のホームページ「雪国の手仕事」から) 
生活工芸館の入り口看板林間の風情のある建物である。ふるさと会津工人まつり、会津の編み組工芸品展、全国編み組工芸品展などを開催する。。   代表的な山ぶどう細工、ヒロロ細工、マタタビ細工である。それぞれに美しい形と光沢色合いとも風情のある作品である。
工芸館内の展示場。山ぶどう細工の作品が、沢山並んでいる。   マタタビ細工の作品。



 材料:山ブドウ科の蔓性植物で、20メートルから40メートルの長さに成長します。標高の高い深山に自生します。秋には甘酸っぱい実をつけますが、近年は何故か実をつける蔓が減少しています。
採取:採取の適期は1週間ぐらい。日照条件や標高、生育条件によって一本一本の適期が異なります。採取はひび割れが入らないように丁寧に皮を剥きます。
   材料:サルナシ科のツル性植物でやや日陰を好みます。4、5月ごろ梅に似た白い花を咲かせ、夏に3cmぐらいの楕円形のナツメに似た実をつけます。
 マタタビは、「猫にマタタビ」とことわざいになるほど、猫の大好物として昔から珍重されています。名前の由来は、昔、旅人がこの実を食べたところ、元気が出てまた旅ができたことからつけられたともいわれています。
ヒロロ細工の作品。   採取:11月以降 、積雪前に採取します。早い時期に採取したマタタビは肉厚が薄く、材料としては適しません。【寒晒し】 家の軒下につるします。 雪に太陽が跳ね返って紫外線で漂白されます。 寒風で乾燥すると、強度も増してきます。
《ヒロロ細工に用いられる繊維の種類》
(ヒロロ)

ホンヒロロ(ミヤマカンスゲ)とウバヒロロ(オクノカンスゲ)があります。ホンヒロロは二百十日(9月1日)頃から、ウバヒロロは6月末ぐらいから採取します。採取時期が早いと材料の丈が短く強度も劣ります。また、遅いと材料が硬くなり使いづらくなります。

(モワダ)
シナノキの樹皮。シナノキはシナノキ科シナノキ属の落葉広葉樹で、強靭な繊維がとれます。梅雨の時期に伐採して、樹皮を剥ぎ、乾燥させます。

(アカソ)
赤麻とも書きます。イラクサ科カラムシ属の多年草です。梅雨の時期に採取します。根を残しておけば次の年も採取できます。

  材料:ホンヒロロ、ウバヒロロ共に水はけが良く、半日陰の土地に群生します。日当たりの条件によって材質が左右されます。 
(野カラムシ)苧麻や青麻とも書きます。イラクサ科カラムシ属の草丈1.5mになる大形の多年生草本です。梅雨の時期に採取します。根を残しておけば次の年も採取できます。
採取:山の恵みを絶やさないための知恵。ヒロロは宿根の多年草。採る時は、根まで抜いてしまわないように、足でヒロロの根元をしっかり踏んでから引きます。葉の小さなものは残して、大きなものを抜きます。
製品:昔から農作業や山仕事などに使われてきた縄籠(スカリ)の技法を活かし、今では手提げバッグやショルダーバッグなど現代風にデザインした形が作られるようになりました。自然素材の素朴な色合いと伝統技術を活かした、品格のある工芸品です。皇室の方もお買い上げになられました。